高度化XGP (XGP規格バージョン2)

XGPフォーラムでは、ブロードバンドワイヤレスアクセス(BWA: Broadband Wireless Access)システムとして2008年にXGP規格バージョン1を策定しました。 しかしながら、ブロードバンドトラヒックが増大し、モバイル環境においても更なる高速データ通信の需要が急激に高まり、これに応える必要が生じました。また、他のBWAシステムと競争を行っていく上で、各デバイスの流用や、共通化によるインフラ設備の低価格化を図ること、更には効率的な基地局エリア展開を可能にすることも重要な課題になりました。

このような状況に対応するため、XGPフォーラムでは、(1)伝送速度の高速化、(2)サービスエリアの改善、(3)グローバルシステムとの親和性拡大を実現すべく、高度化XGPの検討をおこないました。その結果、 20MHz帯域幅の拡張、多元接続方式SC-FDMA、非対称フレーム構成、フレーム長の拡張、及びMIMO等の技術を導入したXGP規格バージョン2を2010年10月に策定しました。その後、他TDDシステムとの親和性およびデバイスの共用可能性の更なる向上を目的に規格改訂を行ったXGP規格バージョン2.3を2012年1月に策定しました。

 

(1) 伝送速度の高速化

占有周波数帯幅を最大20MHzに拡大し、非対称フレーム構成の導入、フレーム長の拡張、MIMOなどの導入により最大100Mbps超の高速化を実現するとともに、コンテンツに合わせた効率的な帯域利用が可能。

(2) サービスエリアの改善

基地局空中線電力を最大10Wから最大40W に増加するとともに、基地局空中線利得を最大12dBiから最大17dBiに増加することで、エリアカバレッジの拡張や屋内浸透率の向上を図り、サービスエリアの改善を実現。

(3) グローバルシステムとの親和性

高度化を踏まえつつ、経済性に優れた機器調達を可能とするために、多元接続方式としてSC-FDMA方式を追加するとともに、隣接チャネル漏洩電力、スペクトラムマスク、不要発射強度の変更によりグローバルシステムとの親和性を高めた。

 

XGP(XGP規格バージョン1)と高度化XGP(XGP規格バージョン2)の概略仕様、及び 、SC-FDMA及びTDMAの複合方式のイメージ図を示します。

<参考>

総務省 情報通信審議会 情報通信技術分科会(第86回)資料86-3-1、資料86-3-2

総務省 情報通信審議会 情報通信技術分科会(第75回)資料75-2-1、資料75-2-2