XGPフォーラム議長挨拶

岩田 秀行

 

2020年11月26日に開催された第37回総会において、XGPフォーラムの議長に任命されたことを大変光栄に思います。この重要な役割を引き継ぐことは、私の親愛なる前任者が成し遂げた多大な貢献を思い出させます。私もこのフォーラムと無線通信産業のさらなる発展に全力で取り組んでいきたいと存じます。

この場をお借りして、これまでのXGPフォーラムの活動への全会員の全面的なご支援とご協力に感謝申し上げますとともに、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

1995 年にNPOとして設立された XGP フォーラムは、TDD 特有の課題を克服し、PHS から AXGP や sXGP などのクリエイティブ技術を開発することで、国内通信業界のみならず世界中の通信業界にも多大な貢献をしてきました。

マイクロセルとOmniアンテナを用いたAXGPは、3GPP規格で採用され、TD-LTEとエコシステムを共有できるようになっています。XGPフォーラムは、最新の3GPP規格と調和するようにXGP規格を引き続き強化しています。

sXGP は日本初のプライベート LTE システムで、WiFi および公衆 LTE が必要な高パフォーマンス、低コスト、またはセキュリティを提供できない場合に最も好まれる専用ブロードバンドネットワークです。通信業界では、プライベートLTEとローカル5Gによって実現されるミッションクリティカルなプライベートシステムへの関心が非常に高まっています。バンド39で割り当てられた周波数を3倍にするための標準化手順が今年度中に完了する予定です。sXGPは従来のPHS利用者だけでなく、中小企業、大学、病院、地方自治体など多くの民間企業が利用できるように期待されています。

一方で、本年に入ってから発生した新型コロナウイルス感染症の拡散は速やかにグローバルパンデミックとなって、社会·経済活動の深刻な鈍化を齎し、グローバル不景気につながりました。2020年東京オリンピック·パラリンピックも延期されました。

その影響で、「新しいライフスタイル」が出現し、在宅勤務、オンライン会議/講義/クラス、デバイスと環境のリモート確認などが一般的になりました。したがって、インフラとサービスにおける無線技術の重要性がより広く認識されています。

XGP Forum では最先端の BWA システムを通して優れたワイヤレス環境とシステムを継続的に提供する準備が整っています。

私は、XGPフォーラムの議長として、これらの活動を支援するために鋭意努力して参りたいと存じますので、一層のご支援、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

略歴:

岩田秀行氏は1991年と2011年に山形大学大学院工学研究科にて修士学位と博士号を取得。

1991年NTTに入社。約8年間、光ファイバケーブルの研究と開発を担当。FTTHの地下用の1000心高密度光ファイバケーブル及び架空用のSZ撚りスロット型光ファイバケーブルの導入に貢献。

2000年からNTTグループの標準化戦略担当

現在、TTC(Telecommunication Technology Committee)の代表理事専務理事。

2020年よりASTAP(Asia-Pacific Telecommunity Standardization Program)副議長。2019年よりペルー応用科学大学客員教授。