sXGPとは

sXGPとは

世界標準であるTD-LTEをベースとした無線通信方式。周波数免許が不要な1.9GHz帯を使用しています。PHSのコンセプトを踏襲しつつも、現在、モバイルルーターやスマートフォンなどで使われている4G(LTE)方式をベースに機能を拡張した自営通信方式です。

LTE技術を採用

  • 高いセキュリティ
  • Wi-Fiと異なり電波干渉が少ない
  • LTEのエコシステムにより
    機器供給が安定、継続、低コスト

PHSと同様に免許不要

  • 免許手続き不要で自由設置
  • 基地局を持ち運べる
  • 設置運用コストが安い

データ通信と音声通話が
利用可能

  • 高品質な音声通信 VoLTEを採用
  • 高速データ通信
  • PBXとも連携

sXGPの技術的な仕様は4G(第4世代)携帯電話のLTE規格の一部であるTD-LTE方式を用いる。「自営通信」専用の規格で、ビルや工場などを所有する事業者が自ら設備を設置・運用し、構内でのみ通信・通話できる。広大な施設を運用する事業者の内線電話としての利用のほか、センサー機器や制御機器などを連携させて自動化などを推進するIoT(Internet of Things)の無線通信インフラとしての利用も見込まれている。さらにsXGPは、専⽤機ではなく、既存スマートフォンが対応できる。また、スマートフォンなどの端末を使った内線だけでなく、4Gの高速で安定した通信を利用し、工場や物流センターにさまざまなセンサーを配置し、sXGPでネットワーク化するなど、IoT化やDX推進に活用することも可能。

sXGPの標準化動向

sXGPは2017年10月に日本国内において制度化されました。1.9GHz帯の5MHz(1896.6~1901.6MHz)を使用するシステム

ARIBにおいては、ARIB STD-T118 として2018年7月26日に第1版が制定されました。

公衆PHSサービスが2023年3月に終了したことから、制度の見直しが行われ、2024年3月時点で1.9GHz帯の5MHz幅が4波(1888.5~1893.5 MHz、1896.6~1901.6MHz、1906.6~1911.6MHz、1911.6~1916.6MHz)と10MHz幅が1波(1906.6~1916.6MHz)使用できます。

周波数配置

sXGPの周波数はグローバルLTE周波数であるBand39と共通です。多くのLTE対応デバイスが対応しています。

sXGPのメリット

sXGPは、自営PHS(あるいは構内PHS)の後継サービスでPHSの⾼度化 (⾳声+データ通信、⾼セキュリティ)である。一般的なPHSサービスは2021年1月に終了し、テレメタリングサービスも2023年3月に終了しました。sXGPは音声通信のみならず、データの活用、動画、ビデオ会議など、現状のモバイルデータ通信環境で実現されていることが可能。
自営PHSでは、通信端末のほかに、データ用のタブレット端末などを携帯する必要があったケースでも、sXGPであればスマートフォンを端末として利用できるため、利便性、機動性が向上して、さまざまな用途に活用できる。

sXGPWi-Fiローカル5G
機能性能4G性能
(DL 最大40Mbps程度)
限定的5G
(超高速・低遅延・大容量)
周波数ほぼ専用共用で管理不能専用
セキュリティ強固
(SIM認証)
脆弱
(PW方式等)
強固
(SIM認証)
カバーエリア広い
(半径数百m)
狭い
(半径〜百m)
広い
(半径数十m〜数百m)
コスト比較的安価
(普及しているLTE技術)
安価
(十分に普及済)
かなり高価
(まだ普及が進んでいない)
設置運用
自由度
自由
(免許不要、AP移動可能)
自由
(免許不要、AP移動可能)
困難
(要免許、AP移動不可)

sXGPのメリット①ハンドオーバー

sXGPはLTE方式であるため、アクセスポイント間を切り替えるハンドオーバーの切り替え時間が、非常に短いことが特徴です。そのため、IoT通信等での利用に適しています。

一般的なWi-Fiの場合は、ハンドオーバーの切り替えに長い時間がかかり、その間はデータ通信が中断されます。

Wi−Fiとのハンドオーバー性能の比較結果:都内事務所において実施したハンドオーバーの性能比較実験映像

sXGPのメリット②カバーエリア

sXGPは1.9GHzを利用していることから、比較的広いカバレージを確保することができます。

(1)Wi−Fiとのカバーエリア比較結果:神奈川県内の物流倉庫にて実施した比較実験結果
(2)sXGPカバーエリア計測結果:神奈川県の河川敷で実験したsXGPの伝搬実験

sXGPのメリット③VoLTE

VoLTE (Voice over LTE)

VoLTEは、LTEネットワーク上で音声を伝送するための専用の技術で、AMR-WB(Adaptive Multi-Rate Wideband)コーデックを採用し、低音から高音まで自然な再現が可能です。音声データは、IPパケットに変換されて伝送されますが、QoS (Quality of Service) という仕組みによって音声通信に最高の優先度が割り当てられます。これにより、他のデータ通信の影響を受けにくく、安定した音声品質が確保されます。VoLTEは、音声通話のために最適化された帯域と処理が提供されます。

● 高音質:HD Voice (AMR-WB) などの広帯域コーデックを使用することで、よりクリアで自然な音声を実現します。

● 低遅延:音声通話に高い優先度が与えられるため、遅延が少なく、スムーズな会話が可能です。

● 安定性:専用の品質管理メカニズムにより、ネットワークの混雑時でも音声品質が維持されやすいです。

● メリット:通話中にLTEの高速データ通信を同時に利用できます。

よく比較対象とされるVoIPは、コストの安さ、多機能性、端末・ネットワークの自由度においてメリットがありますが、通信品質においてはVoLTEが評価されます。

VoLTEとVoIPの通信品質における比較

VoLTE VoIP
優先度 QCI=1で最高優先 ベストエフォート(優先度なし)
遅延 150ms未満を保証 ネットワーク混雑時に増加
パケット損失対策 専用帯域で損失を最小化 ジッタバッファで緩和

VoLTEとVoIPの比較試験

VoLTEとVoIPの音声通信品質の比較検証結果です。(データ提供:Baicells Japan株式会社)

● VoLTEの場合は、QoSの仕組みによって、ユーザー数の増加やデータ通信の増加により、ネットワークが混雑した場合でも影響を受けず、良好な音声品質を維持できます。

● VoIPはネットワークが空いている場合は高い品質となりますが、ネットワークが混雑するに従い、音声品質が劣化してしまいます。

検証結果:MOS値とR値の変化

- 同時通話数が増加してもVoLTEは品質を維持

- 同時にデータ通信を行い、通信トラヒックが多い場合でもVoLTEは品質を維持

【検証条件】

- sXGP C-RAN無線機一式に128 userを模擬できるシミュレーターを接続し、VoIP方式とVoLTE方式の通話試験を実施

- VoIP通話試験ではコーデックG.711u(※)、 VoLTE試験ではコーデックAMR-WBをそれぞれ使用

sXGPのユースケース

倉庫工場

大規模な倉庫や工場では、一般の携帯電話の電波が届きにくかったり、Wi-Fiの整備に多額の費用が発生してしまう場合がある等の課題解決にsXGPが有効です。

大規模プラント

広大な自己の敷地をくまなくカバーする独自の通信手段としてsXGPが有効です。

商業施設

商業施設は多くのテナントが同居する場合もあり、施設運営用に独自の通信システムとしてsXGPを構築・提供することで、多様なニーズを満たせます。また、災害発生等により公衆通信網がダウンした場合の、BCP対策としてもsXGPが有効です。

病院・介護施設

日本全国にある約8,600の病院のうち約8割が内線のPHSを使っており、さらにその約8割がPHS利用継続を希望しているというデータがあることから、同じ周波数を利用し、PHS同様に低出力のsXGPは多くの病院の課題を解決出来ます。