sXGPとは
◆TD-LTEをベースとした無線通信方式、免許不要な1.9GHz帯を使用
※日本でPHS/DECTに利用されている自営無線バンド
Band39(3GPPが定めたLTEの国際周波数帯)に含まれる
◆構内自営網でLTEが利用できる(プライベートLTE)
◆事業所コードレス電話利用だけでなく、IoT無線システムとしても期待される
◆事業所内コードレス(PHS/DECT)共存に向けてF0に加えF1/F2増波
sXGPの周波数帯
1. 2017年: 1.9GHz帯の5MHz(1896.6~1901.6MHz)
2. 2020年: 2キャリア(5MHz×2: 1888.5~1893.5MHz, 1911.6~1916.6MHz)を追加
3. 今後:さらに1つのキャリア(5MHz)を割り当てることを検討中
※チャネル(F3)が一つ増えるのに加えて、既存の帯域と合わせれば、10MHz幅で使うことも可能(F21)、ADSL程度だった速度が2倍程度に引き上がる。
1.9GHz帯周波数配置改正全体(案)
出典:陸上無線通信委員会 デジタルコードレス電話作業班(第9回)配布資料より
特徴
sXGPの技術的な仕様は4G(第4世代)携帯電話のLTE規格の一部であるTD-LTE方式を用いる。「自営通信」専用の規格で、ビルや工場などを所有する事業者が自ら設備を設置・運用し、構内でのみ通信・通話できる。広大な施設を運用する事業者の内線電話としての利用のほか、センサー機器や制御機器などを連携させて自動化などを推進するIoT(Internet of Things)の無線通信インフラとしての利用も見込まれている。さらにsXGPは、専⽤機ではなく、既存スマートフォンが対応できる。また、スマートフォンなどの端末を使った内線だけでなく、4Gの高速で安定した通信を利用し、工場や物流センターにさまざまなセンサーを配置し、sXGPでネットワーク化するなど、IoT化やDX推進に活用することも可能。
sXGPと自営PHSの違い
sXGPは、自営PHS(あるいは構内PHS)の後継サービスでPHSの⾼度化 (⾳声+データ通信、⾼セキュリティ)である。一般的なPHSサービスは2021年1月に終了し、テレメタリングサービスも2023年3月に終了予定です。sXGPは音声通信のみならず、データの活用、動画、ビデオ会議など、現状のモバイルデータ通信環境で実現されていることが可能。
自営PHSでは、通信端末のほかに、データ用のタブレット端末などを携帯する必要性があったケースでも、sXGPであればスマートフォンを端末として利用できるため、利便性、機動性が向上して、さまざまな用途に活用できる。
Wi-Fiと比較した際の主な利点?
1. 電波干渉が少ない
2. ハイモビリティ(ハンドオーバーがスムーズ)
3. セキュリティ確保(SIM認証方式に依拠した高信頼性)
4. 同じ周波数、同じ出力で送信した場合、届く距離がWi-Fiの2倍以上、一つの基地局で4~5倍の面積をカバーできる
5. 高度なアルゴリズムで誤り訂正·再送制御を行う
6. Wi-Fiの約2倍という高いキャパシティ(ユーザーの収容能力)
Public LTEと比較した際の主な利点?
1. 値段が安い
2. トラフィックの混雑が少ない
3. セキュリティが向上
4. 特定のデータをオンサイトに保持することができる
5. 通信品質をコントロールできる(例:災害時の自動運転でも問題ない)
6. Public LTEの構築が難しいサービスエリアでもLTEネットワークの構築が可能(例:病院・医療機関、建設業・建設現場、製造業)
sXGP方式の国内需要
SIM認証による高セキュリティ、且つ公衆網の輻輳などの影響を受けにくい特性
⇒ 病院など医療・介護分野に加え、建設現場、交通機関、物流、防災、電気/ガス/水道等のインフラ業種など様々な市場分野から利用意向あり、今後の需要増への対策(チャネル増)が必要
出典:陸上無線通信委員会 デジタルコードレス電話作業班(第9回)配布資料より
需要見通し(XGPフォーラム各社販売計画等より)
XGPフォーラム会員各社様からの回答を集計したこれまでの販売実績ならびに今後の販売計画に基づく需要見通しは以下の通り。
2022年度までの実績および計画については、新型コロナ影響やそれに伴う旧スプリアス機器の延命措置(2022.11.30まで -> 当分の間、使用可とする省令改正)により、病院など主たる市場での自営PHSからsXGPを含む他方式への移行が大幅遅延中である中、従来の自営PHS需要の一部についてsXGP方式への置き換えが進んでおり、また新たな市場分野である工場やインフラ分野での機械的監視・制御などの受注も進み始めたところであり、着実に浸透しつつある。
出典:陸上無線通信委員会 デジタルコードレス電話作業班(第9回)配布資料より
sXGPに関するもっと詳しい情報は下記の会員会社のホームページから取得可能。
1.https://www.bbbackbone.co.jp/sxgp/
2.https://connect.panasonic.com/jp-ja/products-services_private-lte
3.https://jpn.nec.com/privatelte/index.html
4.http://baicells-japan.com/?page_id=492
5.https://www.fujitsu.com/jp/products/network/privatewireless-nw/private-lte/#system