インタビュー 近義起CTOに聞くAXGP戦略
「都市部での大容量モバイル実現がAXGPの責務」

ビジネスネットワーク.jpにて、Wireless City Planning社 執行役員CTO 兼 技術統括部長 近義起氏が「AXGP戦略」について語るインタビュー記事が掲載されました。

引用: http://businessnetwork.jp/


Wireless City PlanningのAXGPは、TD-LTEの数のメリットを享受しつつ、PHSで培われたマイクロセル技術による大容量化を実現する「いいとこ取り」のシステム。同社CTOの近義起氏は、広域をカバーできる3G/LTEと組み合わせることで真価を発揮すると話す。

――近さんはウィルコムでXGP、いわゆる「次世代PHS」の開発を手掛けてこられました。現在はこのXGPを継承した通信事業者WCPのCTOとして、中国などで事業化が進められているTD-LTEとの「100%互換」システムであるAXGPの立ち上げを担っているわけですが、AXGPとXGPはどんな関係にあるのですか。

 我々は10年前から、モバイルブロードバンドの時代になるとネットワークの容量が圧倒的に足りなくなることを予想していました。そしてPHSで作り上げたマイクロセルネットワークがブロードバンドを運ぶ最適なネットワークになると考えて、これをうまく活用できるシステムとしてXGPの開発を進めてきたのです。 ところが、市場環境の変化により、エコシステムが大きくないと通信システムが維持できなくなることが明確になってきました。 そこでXGPで設計したデザインコンセプトやアルゴリズムなどを保ちながら、グローバルなエコシステムに合わせていこうということで、TD-LTEとの互換を強めるように規格を改造していった。これがAXGPなのです。

――TD-LTEとの「100%互換」がうたわれています。中国などで導入される端末を手を加えずに日本に持ってきても使えると考えていいのですか。

 基本的には端末側は何もしなくてもそのまま100%コンパチで動くようにしていくつもりです。当社はネットワークにはいろいろ細工をしているのですが、端末に特殊な要求条件を設けてしまうとエコシステムになりませんから。

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「100%互換」のTD-LTEとは何が違うのか?

――端末が共通なら、AXGPはTD-LTEとは何が異なるのでしょうか。

 大きな違いは、AXGPがPHSと同様の高密度置局が可能であることです。これにより大容量のネットワークを実現できます。 マイクロセル化はネットワーク容量拡大の有効な手段ですが、基地局を密に打つと干渉問題が起きてしまいます。AXGPにはこれを回避する特殊なアルゴリズムや基地局の打ち方のノウハウなどが盛り込まれているのです。

――具体的にはどんな技術が使われているのですか。

 技術要素は、最近話題に上るようになったヘテロジニアスネットワークなどで使われているものと大きな違いはありません。 最も異なる点はノウハウの蓄積です。我々がPHSを20年間展開しており、どうすれば容量拡大が可能になるのか、問題を起こさないようにするには何が必要となるか、などが分かっているということです。 もう1つ、WCPが大きく異なるのは、すぐにでも約15万局のPHS基地局を利用して、マイクロセルによる大容量ネットワークを実現できる環境にあるということです。当然、技術開発への姿勢も変わってきます。

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引用: http://businessnetwork.jp/Default.aspx?TabId=65&artid=2156
(写真、図は、2012 China - Japan TDD Forumで使用されたものです)