2021年度 IP-PBX/ビジネスホン - sXGP端末間接続試験の実施結果について
XGPフォーラム(事務局:東京都千代田区、議長:岩田秀行)ではこの度、従来より実施しているsXGP方式の接続試験の試験実施要領を改訂し、拡張5MHz周波数帯利用のsXGPシステムとPHSシステムの共用試験、及びマルチベンダーのsXGP方式機器との組み合わせによる接続試験を実施し、良好な結果を得ましたのでご報告いたします。
XGPフォーラムでは、1.9GHz帯を使用し、免許を要しない無線局としてTD-LTE方式に基づく新たな無線技術である「sXGP方式」について、同方式の規格立案を始めとして、総務省情報通信審議会での技術的条件の検討にも積極的に参画してまいりました。
<参考> 1.9GHz帯デジタルコードレス電話にTD-LTE方式の導入を検討
その後、同方式の普及を促進すべく、以下の取組みについてお知らせしております。
当フォーラムでは、先般2017年3月31日の同審議会における一部答申および同年10月1日の改正省令等の施行、さらには一般社団法人 電波産業会(ARIB)における標準規格の策定等に続いて試験実施要領を策定し、同実施要領に基づき2018年以降当フォーラム参加各社と試験実施のうえ良好な結果を得ております。
<参照規定>
・無線設備規則(平成二十九年総務省令第六十号) 第49条の8の2の3
(時分割・直交周波数分割多元接続方式のデジタルコードレス電話の無線局の無線設備)
・ARIB標準STD-T118 「時分割・直交周波数分割多元接続方式デジタルコードレス電話用無線設備」
・電波法施行規則及び無線設備規則の一部を改正する省令(令和2年総務省令第113号)
<参考>
2018年3月23日 IP-PBX - sXGP端末間接続試験の実施結果について
2019年2月14日 IP-PBX/ビジネスホン - sXGP端末間接続試験の実施結果について
2020年4月1日 IP-PBX/ビジネスホン - sXGP端末間接続試験の実施結果について
またこの度は、同実施要領に拡張した5MHz周波数帯利用のsXGPシステムと他の無線方式(PHSシステム)の共用試験項目追加などの改訂を行いました。
上記改訂試験実施要領に基づき、前回と同様にHATSフォーラム(事務局:一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)、議長:齊藤 忠夫 東京大学名誉教授)と共催して試験を実施し、良好な結果が得られましたのでご報告いたします。
<IP-PBX/ビジネスホン - sXGP端末間接続試験の実施結果概要>
1.試験実施期間
(1) sXGP対応機器マルチベンダー試験: 2021年11月9日(火)、2021年11月11日(木)
(1) 拡張5MHz周波数帯利用のsXGPシステムとPHSシステムの共用試験: 2021年11月1日(月)~ 11月12日(金)
2.参加企業(順不同)
Accuver株式会社(Accuver)
岩崎通信機株式会社
NECプラットフォームズ株式会社
沖電気工業株式会社(OKI)
株式会社ナカヨ
株式会社日立情報通信エンジニアリング
ビー・ビー・バックボーン株式会社(BBB)
富士通株式会社
3.試験実施場所
一般社団法人 電波産業会 第1A会議室
4.実施体制
XGPフォーラム内TWG-AdHoc 22 SWG for sXGP-AdHoc TG for interconnectivityにおいて、参加企業を募り試験を実施した。
5.試験方法
「IP-PBX - sXGP端末間接続試験実施要領(XGPフォーラムにて第4版制定)」、および同要領に基づく「sXGPプロトコル仕様端末接続のためのPBXテレコムサーバ相互接続試験実施要領(HATS-P-104-V4.0)」に従い、全参加PBXとsXGP方式システム間での接続試験を実施した。
<sXGP対応機器マルチベンダー試験システム構成概要>
<拡張5MHz周波数帯利用のsXGPシステムとPHSシステムの共用試験システム構成概要>
6.試験結果
(1)sXGP対応機器マルチベンダー試験結果
以下のとおり、IP-PBX 2社2機種と、今回新たなsXGP機器(EPC、AP)ベンダー1社の組み合わせで、昨年度まで実施した試験項目のうち10項目(一部オプション項目含む)と拡張5MHz周波数帯利用のsXGPシステムとPHSシステムの共用試験2項目を行い、合格した。
<参加機器>
sXGP機器ベンダー
|
製品名
|
NECプラットフォームズ株式会社
|
sXGPシステム
|
IP-PBXメーカ
|
製品名
|
株式会社日立情報通信エンジニアリング
|
NETTOWER MX-01
|
富士通株式会社
|
LEGEND-V S100
|
<試験結果>
IP-PBXメーカ
|
内線発着
|
転送
|
端末移動
|
疑似故障時の準正常処理 ※2
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||||
ハンドオーバ ※1
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圏外移動
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圏内復帰
|
AP
|
EPC
|
IP-PBX
|
|||
日立情報通信エンジニアリンク
|
〇
|
〇
|
〇
|
〇
|
〇
|
〇
|
〇
|
〇
|
富士通
|
〇
|
〇
|
〇
|
〇
|
〇
|
〇
|
〇
|
〇
|
IP-PBXメーカ
|
sXGP端末通話中
PHSシステム電波干渉 |
sXGP機器キャリアセンスによる
内線発着信 |
日立情報通信エンジニアリンク
|
〇
|
〇
|
富士通
|
〇
|
〇
|
IP-PBXメーカ
|
sXGP端末通話中
PHSシステム起動 (拡張周波数帯利用による試験)※3 |
sXGP機器キャリアセンスによる
内線発着信<br />(拡張周波数帯利用による試験)※3 |
日立情報通信エンジニアリンク
|
〇
|
〇
|
富士通
|
〇
|
〇
|
※1:sXGP端末が異なるAP間を移動する際のハンドオーバ通話継続可否
※2:準正常:AP障害、EPC/PBXリセットによる端末開放等の確認
※3:拡張周波数帯はF1又はF2を使用
(2)拡張5MHz周波数帯利用のsXGPシステムとPHSシステムの共用試験結果
以下のとおり、6社6機種のIP-PBX/ビジネスホンとsXGP対応機器の組合せで拡張5MHz周波数帯利用のsXGPシステムとPHSシステムの共用試験2項目を行い、全社合格した。
HATSフォーラムは合格した社のうちHATSフォーラムにも参加している社に対して「合格証」を発行する。
<参加機器>
sXGP機器ベンダー
|
製品名
|
ビー・ビー・バックボーン株式会社(提供)
|
EPC: Q-Core
|
Accuver 株式会社
|
AP: SC-120J
|
IP-PBX/ビジネスホンメーカ
|
製品名
|
岩崎通信機株式会社
|
Frespec
|
NECプラットフォームズ株式会社
|
UNIVERGE SV9500CT
|
沖電気工業株式会社(OKI)
|
DISCOVERY neo
|
株式会社ナカヨ
|
NYC-Si
|
株式会社日立情報通信エンジニアリング
|
NETTOWER MX-01
|
富士通株式会社
|
LEGEND-V S100
|
<試験結果>
IP-PBX/ビジネスホンメーカ
|
sXGP端末通話中
PHSシステム電波起動 (拡張周波数帯利用による試験)※1 |
sXGP機器キャリアセンスによる
PHSシステム内線発着信 (拡張周波数帯利用による試験)※1 |
岩崎通信機
|
〇
|
〇
|
NECプラットフォームズ
|
〇
|
〇
|
OKI
|
〇
|
〇
|
ナカヨ
|
〇
|
〇
|
日立情報通信エンジニアリング
|
〇
|
〇
|
富士通
|
〇
|
〇
|
※1:拡張周波数帯はF1又はF2を使用
7.今後の予定
XGPフォーラムでは本接続試験を来年度も継続して実施する予定であり、今後とも利用者にとって利便性の高い製品の供給に向けた支援/サポートを進めてまいります。
参考:
一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会「IP-PBX/ビジネスホン – sXGP端末間接続試験」実施結果について(第4回)(2021年1月26日)