2022年度 IP-PBX - sXGP端末間接続試験の実施結果について

XGPフォーラム(事務局:一般社団法人電波産業会(ARIB)、議長:岩田 秀行 一般社団法人情報通信技術委員会(TTC)専務理事)ではこの度、従来より実施しているsXGP方式の接続試験の試験実施要領を改訂し、大規模な企業などを想定し2つのEPCを跨ったアクセスポイント間における通話中ハンドオーバの接続試験を実施し、良好な結果を得ましたのでご報告いたします。

XGPフォーラムでは、1.9GHz帯を使用し、免許を要しない無線局としてTD-LTE方式に基づく新たな無線技術である「sXGP方式」について、同方式の規格立案を始めとして、総務省情報通信審議会での技術的条件の検討にも積極的に参画してまいりました。

 

<参考> 1.9GHz帯デジタルコードレス電話にTD-LTE方式の導入を検討

 

その後、同方式の普及を促進すべく、以下の取組みについてお知らせしております。

<参考> sXGP方式普及促進の取組みについて

 

当フォーラムでは、先般2017年3月31日の同審議会における一部答申および同年10月1日の改正省令等の施行、さらには一般社団法人 電波産業会(ARIB)における標準規格の策定等に続いて試験実施要領を策定し、同実施要領に基づき2018年以降当フォーラム参加各社と試験実施のうえ良好な結果を得ております。

 

<参照規定>

・無線設備規則(平成二十九年総務省令第六十号) 第49条の8の2の3

 (時分割・直交周波数分割多元接続方式のデジタルコードレス電話の無線局の無線設備)

・ARIB標準STD-T118 「時分割・直交周波数分割多元接続方式デジタルコードレス電話用無線設備」

・電波法施行規則及び無線設備規則の一部を改正する省令(令和2年総務省令第113号)

 

<参考>

2018年3月23日 IP-PBX - sXGP端末間接続試験の実施結果について

2019年2月14日 IP-PBX/ビジネスホン - sXGP端末間接続試験の実施結果について

2020年4月1日 IP-PBX/ビジネスホン - sXGP端末間接続試験の実施結果について

2022年1月26日 IP-PBX/ビジネスホン - sXGP端末間接続試験の実施結果について

またこの度は、同実施要領に2つのEPCに跨ったアクセスポイント間における通話中ハンドオーバの試験項目追加などの改訂を行いました。

上記改訂試験実施要領に基づき、前回と同様にHATSフォーラム(事務局:一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)、議長:齊藤 忠夫 東京大学名誉教授)と共催して試験を実施し、良好な結果が得られましたのでご報告いたします。


<IP-PBX - sXGP端末間接続試験の実施結果概要>

1.試験実施期間

  2つのEPCに跨ったアクセスポイント間における通話中ハンドオーバ試験

  2022年11月8日(火)~ 11月10日(木)

2.参加企業(順不同)

  Accuver株式会社(Accuver)

  NECプラットフォームズ株式会社

  沖電気工業株式会社(OKI)

  株式会社日立情報通信エンジニアリング

  ビー・ビー・バックボーン株式会社(BBB)

3.試験実施場所

  一般社団法人 電波産業会 第1A会議室

4.実施体制

XGPフォーラム内TWG-AdHoc 22 SWG for sXGP-AdHoc TG for interconnectivityにおいて、参加企業を募り試験を実施した。

5.試験方法

「IP-PBX - sXGP端末間接続試験実施要領(XGPフォーラムにて第5版制定)」、および同要領に基づく「sXGPプロトコル仕様端末接続のためのPBXテレコムサーバ相互接続試験実施要領(HATS-P-104-V5.0)」に従い、全参加PBXとsXGP方式システム間での接続試験を実施した。

<2つのEPCに跨ったアクセスポイント間における通話中ハンドオーバ試験システム構成概要>

 

6.試験結果

2つのEPCに跨ったアクセスポイント間における通話中ハンドオーバ試験

以下のとおり、3社3機種のIP-PBXとsXGP対応機器の組合せで2つのEPCに跨ったアクセスポイント間における通話中ハンドオーバ試験2項目を行い、全社合格した。

 

<参加機器>

sXGP機器ベンダー
製品名
ビー・ビー・バックボーン株式会社(提供)
EPC: Q-Core
Accuver株式会社
AP : SC-120J2

 

IP-PBXメーカ
製品名
NECプラットフォームズ株式会社
UNIVERGE SV9500CT
沖電気工業株式会社(OKI)
DISCOVERY neo2
株式会社日立情報通信エンジニアリング
NETTOWER MX-01

 

<試験結果>

IP-PBXメーカ
sXGP端末通話中
EPC跨りAPハンドオーバ
(端末移動/AP障害/APビジー/EPC障害)※1
sXGP端末圏外から
EPC跨りAP圏内復帰後の内線通話※2
NECプラットフォームズ
沖電気工業
日立情報通信エンジニアリング

※1:2つのEPCに跨ったAP間の通話中ハンドオーバとなる要因

※2:圏外のsXGP端末が圏内復帰(圏外前とは異なるEPC配下のAPへ)し、内線通話を確認

 

7.今後の予定
XGPフォーラムでは本接続試験を来年度も継続して実施する予定であり、今後とも利用者にとって利便性の高い製品の供給に向けた支援/サポートを進めてまいります。


参考: 

一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会「IP-PBX – sXGP端末間接続試験」実施結果について(第5回)(2023年1月18日)