2023年度 IP-PBX - sXGP端末間接続試験の実施結果について
XGPフォーラム(事務局:一般社団法人電波産業会(ARIB)、議長:岩田 秀行 一般社団法人情報通信技術委員会(TTC)専務理事)ではこの度、従来より実施しているsXGP方式の接続試験の試験実施要領を改訂し、より信頼性の高いsXGP機器提供に向けて、sXGP機器のコアとなるEPCの冗長構成による故障時の運用継続性に関わる試験と、マルチベンダーのsXGP方式機器による接続試験を実施し、良好な結果を得ましたのでご報告いたします。
XGPフォーラムでは、1.9GHz帯を使用し、免許を要しない無線局としてTD-LTE方式に基づく新たな無線技術である「sXGP方式」について、同方式の規格立案を始めとして、総務省情報通信審議会での技術的条件の検討にも積極的に参画してまいりました。
<参考> 1.9GHz帯デジタルコードレス電話にTD-LTE方式の導入を検討
その後、同方式の普及を促進すべく、以下の取組みについてお知らせしております。
当フォーラムでは、2017年3月31日の同審議会における一部答申および同年10月1日の改正省令等の施行、さらには一般社団法人 電波産業会(ARIB)における標準規格の策定等に続いて試験実施要領を策定し、同実施要領に基づき2018年以降当フォーラム参加各社と試験実施のうえ良好な結果を得ております。
<参照規定>
・無線設備規則(平成二十九年総務省令第六十号) 第49条の8の2の3
(時分割・直交周波数分割多元接続方式のデジタルコードレス電話の無線局の無線設備)
・ARIB標準STD-T118 「時分割・直交周波数分割多元接続方式デジタルコードレス電話用無線設備」
・電波法施行規則及び無線設備規則の一部を改正する省令(令和2年総務省令第113号)
<参考>
2018年3月23日 IP-PBX - sXGP端末間接続試験の実施結果について
2019年2月14日 IP-PBX/ビジネスホン - sXGP端末間接続試験の実施結果について
2020年4月1日 IP-PBX/ビジネスホン - sXGP端末間接続試験の実施結果について
2022年1月26日 IP-PBX/ビジネスホン - sXGP端末間接続試験の実施結果について
2023年1月18日 IP-PBX - sXGP端末間接続試験の実施結果について
またこの度は、同実施要領にEPC冗長構成による故障切り替え後の再通話接続試験の試験項目追加などの改訂を行いました。
上記改訂試験実施要領に基づき、前回と同様にHATSフォーラム(事務局:一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)、議長:齊藤 忠夫 東京大学名誉教授)と共催して試験を実施し、良好な結果が得られましたのでご報告いたします。
<IP-PBX - sXGP端末間接続試験の実施結果概要>
1.試験実施期間
EPC冗長構成による故障切り替え後の再通話試験、及びマルチベンダーのsXGP方式機器との組み合わせによる接続試験
2023年11月6日(月)~ 11月8日(水)
2.参加企業(順不同)
Accuver株式会社
NECプラットフォームズ株式会社
沖電気工業株式会社(OKI)
Baicells Japan株式会社
ビー・ビー・バックボーン株式会社(BBB)
3.試験実施場所
一般社団法人 電波産業会 第1A会議室
4.実施体制
XGPフォーラム内TWG-AdHoc 22 SWG for sXGP-AdHoc TG for interconnectivityにおいて、参加企業を募り試験を実施した。
5.試験方法
「IP-PBX - sXGP端末間接続試験実施要領(XGPフォーラムにて第6版制定)」、および同要領に基づく「sXGPプロトコル仕様端末接続のためのPBXテレコムサーバ相互接続試験実施要領(HATS-P-104-V6.0)」に従い、全参加PBXとsXGP方式システム間での接続試験を実施した。
<EPC冗長構成による故障切り替え後の再通話試験システム構成概要>
6.試験結果
(1) EPC冗長構成による故障切り替え後の再通話試験
以下のとおり、2社2機種のIP-PBXとsXGP対応機器の組合せでEPC冗長構成による故障切り替えの再通話試験1項目を行い、2社合格した。
HATSフォーラムは合格した社のうちHATSフォーラムにも参加している社に対して「合格証」を発行する。
<参加機器>
sXGP機器ベンダー
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製品名
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ビー・ビー・バックボーン株式会社(提供)
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EPC: Q-Core
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Accuver株式会社
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AP: SC-120J2
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IP-PBXメーカ
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製品名
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NECプラットフォームズ株式会社
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UNIVERGE SV9500CT
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沖電気工業株式会社
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DISCOVERY neo2
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<試験結果>
IP-PBXメーカ
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sXGP端末通話中
冗長構成EPC故障切り替え後の再通話※1 |
NECプラットフォームズ株式会社
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〇
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沖電気工業株式会社
|
〇
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※1:sXGP端末とIP-PBX内線通話中からEPC故障切り替え後に、正常に通話を開放し、新たにsXGP端末とIP-PBX内線端末で発着信確認
(2) sXGP対応機器マルチベンダー試験結果
以下のとおり、IP-PBX 2社2機種と、2019年度新たなsXGP機器(EPC、AP)ベンダーとしてマルチベンダー試験に参加した1社の組み合わせで、2020年度以降昨年度まで実施した試験項目のうち3項目とEPC冗長構成による故障切り替え後の再通話試験1項目を行い、合格した。
<参加機器>
sXGP機器ベンダー
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製品名
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Baicells Japan株式会社
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EPC:BaiCore
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AP :Baicells sXGP C-RAN VoLTEシステム(AP)
BBU:BU733p/rHUB:EU2128C/RRU:pRU91390 |
IP-PBXメーカ
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製品名
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NECプラットフォームズ株式会社
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UNIVERGE SV9500CT
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沖電気工業株式会社
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DISCOVERY neo2
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<試験結果>
IP-PBXメーカ
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sXGP端末通話中
PHSシステム起動 (拡張周波数帯利用)※2 |
PHSシステム起動中
sXGP端末発着信 (拡張周波数帯利用)※2 |
sXGPシステム起動中
PHS端末発着信 (拡張周波数帯利用)※2 |
NECプラットフォームズ株式会社
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〇
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〇
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〇
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沖電気工業株式会社
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〇
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〇
|
〇
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IP-PBXメーカ
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sXGP端末通話中
冗長構成EPC故障切り替え後の再通話※3 |
NECプラットフォームズ株式会社
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〇
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沖電気工業株式会社
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〇
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※2:拡張周波数帯はF1又はF2を使用
※3:sXGP端末とIP-PBX内線通話中からEPC故障切り替え後に、正常に通話を開放し、新たにsXGP端末とIP-PBX内線端末で発着信確認
7.今後の予定
XGPフォーラムではsXGP方式の周波数拡張などの標準化活動を継続し、IP-PBXなどのネットワーク機器との接続性確認をはじめとして、今後とも利用者にとって利便性の高い製品の供給に向けた支援/サポートを進めてまいります。
参考:
一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会「IP-PBX – sXGP端末間接続試験」実施結果について(第6回)〜モバイル端末を利用する企業や医療業界などへの、sXGP端末利用促進に期待〜